スモロフJr~初級から中級者こそ試すべきプログラム
今回は、私が筋トレ歴7ヶ月ほどの時に、
本来上級者向けのプログラムである「スモロフJr」をベンチプレスに取り入れたところ、
停滞していたMAX重量が伸び、フォームもかなり安定して、
トレーニングLIFEが超絶楽しくなったよ、といった記事になります。
ベンチプレスやスクワットが楽しくなりかけてきたような、
トレーニング初級~中級者の方にはかなり参考になると思うので、
ぜひ取り入れてみてください!
私はスモロフJrでこうなった
私はベンチプレスでスモロフJrを取り入れて約1ヶ月で・・・
・ベンチプレスMAX重量が72.5kg→80kgに。(10%弱のアップ)
・フォームが安定した。
(グリップ、寝る位置、バーを下ろす位置などの細かい部分や、
その連動性に対する認知力が鍛えられた)
MAX重量に関しては、わかりやすい成果ですねー。
目に見える数字が増えたというのは、
単純にうれしいし、モチベもアップしました。
2つめの、フォームの安定。
個人的にはこちらの方が大きい成果でございました。
ベンチプレスに対する思考というか、マインドセットが鍛えられた。
プログラムの通りにベンチプレスをやることで、
自然と試行数が増え、
その分フォームの細かいところに気がまわり課題が明確になり、
その課題を修正していく。
そうした過程で、
教科書的な正しいフォームではなく、
あなた自身に必要なフォームの完成に近づいていく、
といった感覚です。
ああもちろん、
あなた自身のフォームといっても、
好き勝手なフォームという意味ではないですよ。
二の腕は地面に対して常に垂直に、
などの基本的な部分はしっかりおさえておかないと、
ケガにつながりますし、効率も悪くなってきますしね。
フォームについてはあとの方でも触れますので。
スモロフJrってなんですか?
ロシアのスポーツ専門家であるセルゲイ・スモロフは、
トータル13週間の筋力アッププログラムを考案した。
そのプログラムを実践することにより、
スクワットの使用重量が20~40kg伸びたという選手が続出した。
~中略~
ただしSmolovプログラムは13週間にわたって
特定のエクササイズを行うことになるため、
他の部位のトレーニングがおろそかになりかねない。
そこで、これを一気に短縮して3週間で行う
「Smolov Jr. プログラム」が発案されたのだ。
http://www.dnszone.jp/magazine/2015/1020-001.php より引用
引用文ではスクワット、とありますが、
ベンチプレス、デッドリフトといったBIG3で用いて、
成果を挙げているトレーニーも多いプログラムです。
私のスモロフJrスタート時のスペック
・41歳で筋トレ始めて約半年
・いまいちフォームが固まらず、あちこち痛め気味
・2ヶ月前にベンチ中に手首を痛めて丸1ヶ月ベンチ休んでた
・その間はマシンチェストプレスでお茶をにごす(痛くてそれしかできなかった)
・ベンチプレスのMAX重量72.5kg
・プログラムはテキトーだった。気分で3~6セット位
まあつまり、筋トレ初心者が筋トレ系YouTuberなんかを参考に、
自己流で取り組んでたら停滞するべくして停滞した、
といった感じでした。
で、この停滞を打破する方法は何かないかな、
となんとなくネットを徘徊している時に出会ったのが、
「プログラム」
という概念でした。
それまで私のベンチプレスのトレーニングメニューは、
ほぼ気分で行っていました。
重量設定、rep数、set数、すべてがテキトー。適当ではなく、テキトー。
今考えると、なんの知識もないに等しい素人が、
その日の気分、気まぐれでトレーニングしてたら、
そりゃ伸びません。
あらゆる競技のアスリートやボディビルダーたちが、
あらゆる科学的知見や膨大な経験則から導き出したトレーニングメソッド、
としての様々な体系化されたトレーニングプログラム。
成功したければ、成功者の模倣から始めよ、
なんてことが言われますが、
趣味の領域のウエイトトレーニングにおいても当てはまると実感できたのが、
スモロフJrの実践でございました。
スモロフJrのプログラム内容
で、「スモロフJr」の具体的内容です。
Day | 重量 | rep数 | set数 |
Day1 | MAXの70% | 6 | 6 |
Day2 | MAXの75% | 5 | 7 |
Day3 | MAXの80% | 4 | 8 |
Day4 | MAXの85% | 3 | 10 |
・1週間のトレーニングを上の表のように行う。
・2週間目は重量を+2.5kg~5kg(repとsetはそのまま)
・3週間目は重量をさらに +2.5kg~5kg
そこから2~3日の休み筋肉を回復させて、MAX更新にチャレンジ。
というのが一般的なスモロフJrプログラムになります。
たとえば、MAXが100kgだったら、
Day1では100kgの70%、70kgを6×6、
2週間目のDay1では72.5kgを6×6行い、
3週間目のDay1では75kgを6×6行う、
といった具合で進めていきます。
私のスモロフJr実践
というわけで、
私の実際の「スモロフJr」プログラムの経過をお伝えしていきます。
重量設定やトレーニング頻度に関して、
私のトレーニング環境などに応じたアレンジを加えているので、
そのあたりも参考にして頂ければと思います。
重量設定
プログラムスタート時の私のベンチプレスMAXは72.5kg。
これをそのまま1週目のDay1に当てはめると、
72.5kg×70%=50.75kg なので、
50kgを6×6ということになるのですが・・・
当時の私にとって、
それはあまりに軽い負荷のように思われました。
というわけで、思い切ってMAX設定を80kgとすると、
80kg×70%=56kg
私の利用するジムでは、
バーベルのプレートの最小単位が2.5kgなので、
Day1が55kg6×6 となります。
これならちょうどいいかな、と思い、
実際のMAX重量は72.5kgのところを、
MAX80kgと設定したプログラムを表にしてみると・・・
Day | 重量 | rep数 | set数 |
Day1 | 55kg | 6 | 6 |
Day2 | 60kg | 5 | 7 |
Day3 | 65kg | 4 | 8 |
Day4 | 67.5kg | 3 | 10 |
1週目は右の表のようになりました。
この設定ならば、
スタート当時の自分の能力から言って
適切と思われる重量、回数の設定になっている、
と感じたので、このように行う事に決めました。
2週目、3週目では重量をそれぞれ2.5kgずつ増やして行いました。
つまり3週目のDay4、つまりプログラムのラストは、
72.5kgを3×10 行うということになりますね。
私のスタート時の実際のMAXが72.5kgですから、
これは相当にキツいことが予想されますが、
プログラムを進めるうちに成長も見込めるでしょうし、
まだやっていないことをガタガタ言っていても始まらないので、
重量設定に関してはこれで行くことに大決定でございます。
トレーニング頻度
「スモロフJr」は基本プログラム通りに行うと、
かなり頻度が高いプログラムです。
Day | 重量 | rep数 | set数 |
Day1 | MAXの70% | 6 | 6 |
Day2 | MAXの75% | 5 | 7 |
Day3 | MAXの80% | 4 | 8 |
Day4 | MAXの85% | 3 | 10 |
なぜなら、上の表のDay1からDay4までを1週間内に、
行わなければならないからです。
週4日のトレーニングとなると、
仕事や家庭の都合や、
ジムが近くに無いといったトレーニング環境などで、
スケジュール的に中々キツいという方もいると思います。
しかもこれを3週間続けて、となるとなおさらですよね。
実際私もそうでした。
なので私はスモロフJr実践にあたり、
週4回にはこだわらず、
できるだけ中3日以内でやる
という、ややアバウトな頻度を設定して行いました。
中3日以内の理由としては、
この「スモロフJr」はおそらく、
高負荷、高頻度のトレーニングを集中的に行うことにより、
筋力アップを達成するために考案されたプログラムなのだから、
あまり間を空けてしまうのは、
その目的から遠ざかってしまうのではないか、
という、まあ素人考えではあるのですが、
これでも実際に効果があったので、
アスリートでもない、
趣味の領域のトレーニングならばこの、
「中3日以内に次のメニューを行う」
という方法で十分効果は得られます。
インターバル
インターバルというのは、
set間の休み時間のことです。
たとえば、70kgを6回6set行う時、
まず70kgを6回上げてバーベルを置いて、
次の6回を行うまでの休み時間、ですね。
インターバルは1分ですか? 2分ですか?
などと過度にこれを気にする方もいますが、
息を整え、次のsetに望むための気合を入れ直し、
自分のリズムで1分から3分くらいで次のsetに臨めばよいのです。
筋トレ系YouTuberがset間1分などと、
インターバルを厳密に定めてトレーニングしていたりしますが、
そこまで厳密なインターバル設定は必要になってくるのは、
ベンチプレスの重量で言えば、
自分の体重の1.5倍以上を上げるような上級者になってからでしょう。
特に意味もなくset間を5分とか10分とるのはアレですが。
その他注意点
なるべくジムの空いてる時間で行うようにする
「スモロフJr」を行うと、
けっこう長時間ベンチ台を占領してしまいます。
10setの日に、set間インターバルを3分も取っていたら、
40分もベンチ台を占領してしまうことになります。
次に使いたい人がいるかもしれない状況で、
それは明らかに迷惑ですよね。
なので、オープン直後やクローズ直前、
可能ならば平日の午前中などに利用するなど、
他の利用者に迷惑がかからない工夫は必要かと思います。
ジムによってはパワーラックやベンチ台に、
20分の利用時間制限を設けているところもあるようです。
その場合はもう、分割して行うしかないのかな。
10setの日だったら、
5setやって次の人が使った後に残りをやるとか。
ホームジムだったらこの手の問題は皆無なんですけどねー。
トレーニング始めて最低半年は経ってからやる
半年、というのは大体の目安です。
スモロフJrは高負荷なトレーニングプログラムです。
高負荷に耐えられるだけの最低限の筋力と、
ある程度の正しいフォームを身につけてからでないと
ケガのリスクが高くなってしまいます。
ベンチプレスにしろスクワットにしろ、
最低限、ケガをしにくい、
正しいフォームを自分の中で確立できたと感じてから取り組むべきです。
で、フリーウェイトで大体週二回のトレーニングを、
半年も継続できていれば、
まあ大体、身体はできてくるし、フォームも安定してくるよね、と。
あ、ちなみに、
厳密な意味での「正しいフォーム」は人それぞれですよー。
万人に対してひとつの「正解のフォーム」なんてのはありません。
たとえば、ベンチプレスでいうと、
この動画は初心者がベンチプレスを始める上で、
この上なくすばらしいレクチャーですが、
肩甲骨の寄せと下制、
グリップの位置、
バーを手の平のどの部分で支えるか、
ブリッジの高さ、
足の位置、
その他もろもろについては、
もちろんある程度の指標はありますが、
細かな位置や角度は、人それぞれの骨格や筋肉の付き方、
また習熟度や目的によっても違ってきます。
違って当然なのです。
野球選手のバッティングフォームを思い出してみてください。
一人ひとり違う構えですよね?
中にはかなり個性的なフォームの選手もいる。
イチローとかローズとか落合とか。(古いよ→わし)
でも、最短距離でバットでボールにアクセスする、
という目的は同じわけです。
フォームという手段が違うだけで。
ああ、ちょいと話がそれました。
ともあれ、目安として、
スモロフJrに取り組むための身体は、
フリーウェイトのトレーニングを、
約週二回、半年も続けていれば出来上がってきますよ、
という話でした。
初級~中級者こそスモロフJrを
というわけで、私としましては、
ウェイトトレーニング初級~中級者(トレ歴半年以上)にこそ、
スモロフJrに挑戦してみてほしいわけなんですよ。
なぜか。
やはり一番の理由は、最初の方でも触れましたが、
フォームの重要性が理解できる
からなのです。
スモロフJrは、ベンチにしろスクワットにしろ、
毎回6setから10setを行っていくわけですが、
これってけっこう多いな、と感じませんか?
このset数を多く行うというのがミソ。
ベンチに寝る位置を決め、
ブリッジを組み、
足の位置を決め、
シャフトを握り、
ラックアップして、
実際のベンチプレスの動作に入る。
この一連の流れを、
スモロフJrというプログラムを行った結果、
数多く行うことにより、
違和感を察知して細かな修正をテストしていって、
自分のベンチプレス像が固まってくるのが実感できるのです。
それが自分なりの正しいフォームを獲得することにつながってくる。
あなたはその時、気づくことでしょう。
ベンチプレス、スクワット、デッドリフト、
どの種目にしろ、その種目の、
単純だからこその奥深さに。
フォームを洗練させるために、スモロフJrをやる。
こういっても過言ではない、
と私は考えます。
MAX重量を更新する、
より重い重量が扱えるようになる、
というのは結果に過ぎないのです。
結果は後からついてきます。
まずは目の前の課題に取り掛かりましょう。
スモロフJrという優秀なツールを使って。
というわけで初級~中級者こそ、
スモロフJrを取り入れてみてください。
その困難を乗り越えたらきっと、
トレーニングがもっと好きになっているはずですから。